南アフリカ歴5年目のSaoriです(@saori_chris_)。
お世辞にも治安が良いとは言えない、南アフリカ。日本で暮らしていると、「現地ではどのような事に気をつければ良いのだろう?」と想像しにくいのが実際のところです。
南アフリカの危険情報
世界的に見ても、南アフリカは一般犯罪が最も多い国の一つとされています。殺人の発生率や強盗の発生状況は深刻で、特にカージャックや住宅侵入強盗の発生は、邦人にとって大きな脅威となっている他、車上荒らしや置き引きといった窃盗事件も数多く発生しています。
外務省“海外安全ホームページ”より(2019年10月時点)
南アフリカが大好きで移住した私。これから滞在予定の方には、ぜひ安全・安心に南アフリカを楽しんでもらいたいと思っています。
今回は「大使館からアドバイスされたこと」そして南アフリカ人の彼と暮らす中で教え込まれた「安全のために現地の人が守っている心得」をまとめました。
この記事の[結論]を先取り!
南アフリカで安全に過ごすための心得
- 一番安心して滞在できるのは、「現地に住んでいる人に案内してもらう」または「ツアーに申し込んで観光する」の2プラン。
- 治安が悪いエリアには近づかない。
- 車での移動が基本。徒歩で移動するときは周囲の様子に気をつける。
- ATMのスキミングには注意する。利用するときは安全な場所を選ぶ。
もくじ
観光客に一番オススメしたい安全な滞在手段
ぶっちゃけた話を最初にします。安全を考えると、「旅に慣れた人」以外は次の2択がオススメです。
- 現地に住んでいる人にコンタクトを取り、案内してもらう
- ツアーに申し込んで観光する
私自身、1番の選択をしています。ケープタウンへの観光/留学では南アフリカ人の彼とほとんど行動を共にしており、安全に過ごすための心得を教え込まれています。
現地に知り合いがいない場合は「ツアーに参加する」のが一番安心です。英語が苦手だと感じている人も、現地でトラブルに巻き込まれたときに対応できないと困るのでツアーをオススメします。
*旅に慣れた人とは
過去に発展途上国で滞在したことがある、バックパッカー経験がある、現地に住んだことがあり治安を熟知している、英語が話せてトラブルが発生しても自分で対処できる等
「ツアーはちょっと高いなあ…」「自分で計画して南アフリカを旅したい!」という方は、以下の事柄に注意して現地で過ごして下さい。
エリアに関する心得
避けるべきエリアを把握する
タウンシップ
南アフリカには、かつてアパルトヘイトの時代に「黒人の居住エリア」として指定されていたタウンシップが街や都市の周辺に点在しています。タウンシップでは凶悪犯罪等の発生件数が非常に高いので、近付かないようにしてください。
ひと気のない通り/エリア
ひと気のないストリート/エリアは狙われやすいので、避けてください。南アフリカでは暗くなるほど犯罪に巻き込まれるリスクが高くなるので注意してください。
逆に安全な場所はどこ?
モールや観光スポットの敷地内、レストラン内などは比較的安全です。
観光に人気のケープタウンの繁華街(city center)でも要注意
これまでヨハネスブルグやダーバン、ケープタウンの繁華街に行きましたが、実際に私が車から降りて繁華街を歩いた経験があるのはケープタウンだけなので、ケープタウンに限った話をします。
ケープタウンの繁華街(City Center)はレストランやカフェ、バーなどがたくさんあり、観光客にも人気の場所です。
明るい時間帯に繁華街のストリートを散策している観光客をよく見かけますが、日中でも犯罪の被害にあう可能性があり、安心して長い距離を散策できるところではないです。Uberなどの配車サービスを使って「目的地までdoor-to-doorで行く」のをオススメします。
また、ケープタウンの繁華街(City Center)へ行く時はグループでの行動をオススメします。
滞在プランに合った宿泊先を選ぶ
観光するスポットの近くや、MyCityBus (ケープタウンで運行されているバス)のバス停近くなど、滞在プランやバジェット、周辺の治安を考慮して宿泊先を選んだ方が良さそうです。
(短期滞在者向け) 移動手段の心得
観光の移動手段にオススメなのはUber
南アフリカでは車での移動が基本です。長い距離を散策するのは控えたほうが良いです。
現地での移動手段でオススメしたいのが、携帯のアプリを使って自動車配車ができるUberです。乗車する場所を選択でき、ドライバーの名前やプレートナンバーを確認してから乗り込むシステムなので、安心して利用できます。現金とクレジットカードの支払いが選べます。
Uberでタクシーを呼ぶ時は、ホテルの前など安全なところを選んで下さいね。
MyCitiBusやRed Bus Tourも便利!
ケープタウンの観光には、安くて安心して利用できるMyCitiBusもオススメです。
ケープタウン/ヨハネスブルクで走っているRed Bus Tourも観光スポットを巡るのに非常に便利です。
南アフリカのストリートを歩く時の心得
窃盗などの事件が多発する南アフリカでは車での移動が基本。徒歩での移動は最小限に留め、比較的安全とされる場所でも以下のような事に注意して下さい。
アジア人の顔は目立つということを忘れない
現地では「アジアからの旅行者 = 金持ち」と思われています。アジア系の顔はどうしても南アフリカでは目立ち、ターゲットにされやすいです。
目立った格好や、華美な服装をしているとターゲットにされますので注意してください。また、「いかにも観光客」という雰囲気を出さないようにした方がいいです。
ターゲットにしたくなる「いかにも観光客」の例
- キョロキョロしている。
- 写真をとるのに夢中 (ストリートでの携帯の使用は控えて下さい)。
- google検索に夢中で周りが見えていない。
- カバンのチャックがあいていて、貴重品が丸見え。
- いかにも高級そうなバッグや時計、財布を持っている (財布はカバンから出さないで下さい)。
常に周囲の状況に気をつける
犯罪件数が日本に比べて多い南アフリカ。特に、ストリートを歩く時は定期的に周りをキョロキョロ見渡す、ついて来られていないか確認する等、周囲の状況に気をつけるよう心がけて下さい。
団体で行動するほうが安心
観光客が一人で歩いていると狙われやすいです。できればグループで行動した方が安心です。
また、南アフリカはレイプの件数が非常に多い国です(そしてHIV感染者も多いです)。女性一人での滞在は特に気をつけて下さい。
日が沈んだあとは絶対に夜道を歩かない
日中は歩ける場所でも、夜になると犯罪被害にあうリスクが非常に高くなります。
現地の人でも「夜に歩くのは危険行為」という意識を持っています。集団であっても日没以降は夜道を絶対に歩かないでください。
夜は安全に過ごせるモールを選んだり、Uberを利用してdoor-to-doorで目的地まで行くようにして下さいね。
カバンは防犯対策ができるものを持っていく
スリに合わないためにも、チャックでしっかり締めれるカバンを持っていった方がいいです。
私は収納スペースが大きくて耐久性の高いanelloのリュックを日本で購入して使っています。
路上で携帯/イヤホンを使用しない
南アフリカで外を歩くときは、周囲の様子に気をつける必要があります。
携帯を道端で使用していると注意散漫になるので、使用しないで下さい。「道端で携帯を出している = 奪えるアイテムを提示している」のに等しく、狙われやすいです。周りの音が聞こえなくなるイヤホンもやめましょう。
ダーバン在住の日本人がイヤホンをつけてランニングをしていたところ、数人のグループに囲まれて身ぐるみを剥がされ、金銭を奪われたケースが過去にありました。
良い人そうに近寄ってきてもまずは警戒する
非常に悲しいことなのですが、南アフリカでは「優しいフリをして近寄ってくる人」がいます。隙あれば狙おうと企んでいるので、知らない人を最初から信用しないのが身のためです。
物乞いにつきまとわれても無視する
南アフリカは貧富の差が激しい国。路上や信号を待っている時に、物乞いの人たちに声をかけられることがよくあります。
「かわいそうだからお金をあげたい」と思ってしまいます。ただ、一人一人にあげていてもキリがないのが現状。さらに、一度お金を渡すと顔を覚えられ、それ以降も声を掛けられたり、つきまとわれたりする可能性があります。
身の安全を考えると、物乞いの人たちは無視するのが一番だと私は思っています。
貧困問題に取り組むNGOなどが南アフリカにはたくさんあります。貧しい人たちのために何かしたいと思ったら、こうした団体に募金をされた方がより良い解決策かと思います。
私がケープタウンで参加しているボランティアでは、路上生活をしている人たちにスープとパンを提供しています。ボランティアや募金も募っています。 Ladles of Love
(長期滞在者向け) 自家用車を使うときの心得
荷物は足元に置く/トランクにしまう
南アフリカでは車の窓ガラスを割ってカバンや金目のものを盗もうとする、“スマッシュ&グラブ”が多発しています。
車で移動する際は、荷物は膝の上に置くのではなく、足元に置いて下さい。後部座席にも荷物をおかず、大きな荷物はトランクに入れてください。
信号で停車しているときは窓を閉める
上記のスマッシュ&グラブと似た理由ですが、信号で停まっている時は車の窓を閉めて下さい。窓の隙間から手を突っ込まれる可能性があります。
スキを見せないよう注意して下さい。
路上駐車するときの細かな注意点
南アフリカでは路上駐車をすることが多いです。以下は、私と彼が普段の生活で気をつけていることです。
- 車内に貴重品や小物を置かない(サングラスや小銭など)。トランクに入れるか、ダッシュボードに隠す。
- (少し危険そうな場所に行く場合) パソコンなどの高価なものを、そもそも持っていかない。
- (夜にレストランやバーへ行く時) 近くに車を停める場所が見つからなかったら、夜に長い距離を歩くのは危険なので、諦めて別の目的地に変更する。
ジャミング(車のリモートロック妨害)にも要注意
南アフリカでは、車のリモートキー操作を妨害する“ジャミング”が多発しています。
ロックしたはずの車が実際にはロックされておらず、車両を離れた間に車内の貴重品が奪われています。車をリモートでロックしたら、必ず手で引っ張って確認してください。
ATMに関する心得
ATMのスキミングに注意し、利用するときは安全な場所を選ぶ
南アフリカではATM関連の被害(特にスキミング)が報告されています。以下はATMを利用する際の注意点です。
- 道端に設置されているATMは避ける (お金を取り出しているのが丸見えで危ない)。
- モールや建物内にあるATMを利用する。
- お金を引き出すときに助けようと近寄ってくる人には要注意 (銀行の係の人に助けてもらう)。
もしもの時の心得
窃盗にあったら何も抵抗しない
万が一の話をします。
窃盗の被害にあったら決して抵抗したり、追いかけたりしないでください。ナイフや銃の所持していたり暴力を振るわれる可能性があるため、非常に危険です。
彼らの多くが金銭を奪う目的で窃盗や強盗をしています。命より大切なものはありませんので、欲しがるものは全部あげて、去ってから警察に報告してください。
運転中に石を投げられたとき
石を投げて窓を割る、道を塞ぐ、タイヤをパンクさせる等の犯行がタウンシップ等の治安が悪いエリアで頻発しています。高速道路で周辺を通る際は気をつけてください。
万が一、そのような被害にあわれても決してその場で停車せず、走り続けてください。停車すると窃盗/強盗の被害にあってしまいます。
ガソリンスタンドなど、安全な場所まで移動してから助けを求めて下さい。
車がエンストした場合
車がエンストして止まったら、狙われないように気をつけて下さい。優しそうな顔をして近づいてくる人もいます。
早めに適切な対応を受け、身の安全を確保してください。
万が一のコンタクトナンバー
万が一、南アフリカで被害に遭われたら下記のところへ連絡して下さい。
警察/救急車
- 10111 – 緊急の際にかけるダイアルです。警察に繋がります。
- 10177 – 救急車を呼ぶときのダイアルです。
- 112 (携帯のみ) – こちらも緊急時にかけれます。
在南アフリカ日本国大使館
現地で思わぬ事件・事故に遭遇して困った場合、その具体的状況を大使館に連絡して下さい。
在南アフリカ日本国大使館: 012-452-1500
クレジットカードの連絡先
VISA
(09)+1 303 967 1090 (日本語可有料)
(携帯の場合)+1 303 967 109
JCB
(09)81 42 240 8122(日本語可有料)
(携帯の場合)+81 42 240 8122
MASTER
(09)1 636 722 7111(日本語可有料)
(携帯の場合)+1 636 722 7111
AMEX
(09)44 208 840 6461(日本語可有料) *英国
(携帯の場合)+44 208 840 6461 *英国
まとめ
以上、南アフリカで安全に過ごすための心得でした。
南アフリカで安全に過ごすための心得
- 一番安心して滞在できるのは、「現地に住んでいる人に案内してもらう」または「ツアーに申し込んで観光する」の2プラン。
- 治安が悪いエリアには近づかない。
- 車での移動が基本。徒歩で移動するときは周囲の様子に気をるける。
- ATMのスキミングには注意する。利用するときは安全な場所を選ぶ。
楽しく安全に滞在するために、「現地では何をしていけないのか、何に注意すればいいのか」をよく心得てから渡航して下さいね。