Saoriです(@saori_chris_)。
今やグローバルな社会。海外留学を考えている人も多いかと思います。
しかし、いざ留学をしよう!と思い立っても、まず何から手をつければ良いのかと悩みます…。
私がケープタウン大学大学院(UCT)に留学するまでの過程をまとめました。
特に修士課程や博士課程での留学を考えている人の参考になればと思います。
もくじ
留学先と分野を決める
私は2019年5月から南アフリカ ケープタウン大学(UCT)の博士課程(PhD)に留学しています。
実は、UCTに行きたいという思いは留学の3年前からありました(当初は修士課程で留学しようと計画していました…)。
留学準備の失敗談は、別の記事に書こうと思います笑
「南アフリカ」を選んだ理由
- 高校生の時に住んでいた(= 現地の文化、治安、雰囲気を知っている)
- アフリカの中でもダントツに発展している国
- ケープタウンが好きで、長く住んでみたい
南アフリカには高校生の時に住でいました。
日本とは全く異なる環境での生活は、自分を大きく成長させてくれました。
続いて、大学選びです。
「ケープタウン大学(UCT)」を選んだ理由
- 国際的にも高く評価されている、アフリカでトップの大学
- 興味のある分野を研究をするのに最適な環境だと思ったから
- 南アフリカ人(彼氏)による留学サポートつき
高校の時から付き合っている南ア人のパートナーはケープタウン在住。UCTの卒業生です。
よく遊びに行っていたので、ケープタウンの雰囲気も知っていました。
PhD留学する上で肝心な研究室選び。
私は日本に引き続き、興味があるHIV関連の研究がしたいと思っていました。
UCTには感染症に特化した研究所(IDM)があり、「ここに行きたい!」と即決。
南アフリカでは感染症が大きな問題となっていて、日本に比べて臨床検体を用いた研究がしやすいというメリットがありました。
IDMのサイトはこちら *IDM:Institute of Infectious Disease & Molecular Medicine
候補の研究室を探す
大学のホームページを頼りに、候補の研究室を3つくらい選びました(留学の1年前)。
留学準備を経験して気づいたこと。学生を受け入れてくれるかは、研究室がバジェット(研究資金)を確保しているかによります。
どこが受け入れokを出してくれるか分かりません。最初は複数の研究室を候補に入れておくことをおすすめします。
実際に私も、
- 今は人がいっぱい。次のバジェットが取れるか次第で決めたい(また後で連絡ちょうだい)。
- ちょうど関連する研究テーマのバジェットがとれたよ!ウェルカム!
みたいなことを言われました。
十分な研究資金がないと、ボスも学生の面倒を見れないんですよね。
研究室に受け入れて貰えるチャンスが一番高い方法は、ずはりコネクション。
知り合いの先生を紹介してもらうと「お墨付き」として扱われます。
コネクションがない方は、成績、CV、推薦状、研究計画(モチベーションレター等)で勝負です! 私も後者でした。
研究室訪問する
留学前に研究室を訪問することは、色々な意味でプラスに働きます。
研究室訪問するメリット
- 顔を覚えて貰える
- 研究室の様子がわかる
- 研究室のメンバーと会って話をすることができる
- 留学に対するモチベーションを直接伝えられる
私も南アフリカの臨床治験現場で3ヶ月のインターンシップをしていたので、その機会を利用して研究室訪問をしました。
候補だった2つの研究室の先生からは快くok。残り1つは残念ながら先生が出張中で会えませんでした。
受け入れのお願いをする
研究室に受け入れてくれる可能性があるかをメールで伺います。
[体験談] 海外では結構な確率でメールを無視られます
1-2週間待っても返信が来なければ、もう一度確認のメールをしてみてください(前のメールに返信する形で)。上のポジションになるほど、メールが大量に来ます。会ったこともない学生からのメールは優先されにくいです。
他の学生も連絡をとっている可能性があります。留学する意思があるメールを早めに送り、承諾してもらうチャンスを逃さないようにしましょう。
今所属している研究室の先生とは、2018年の6月くらいからメールで連絡を取りはじめました(留学開始は2019年の5月)。
受け入れをお願いするメールでは
- 自分の現在の所属と研究室
- 今やっている研究内容
- なぜそこの研究室に行きたいのか
- 何を研究したいのか
を完結に書きましょう。また、CVや成績、推薦状も添えて送った方がベターです。スペリングミスがあると印象が悪くなるので、送る前にネイティブに添削してもらいましょう。
- 長文でつらつら書いたメールは読んでもらえません。必要なポイントだけを書くよう、心がけましょう。
- [個人的な意見] Gmail等で自分の名前がアドレスに入っている方が読んでもらえる気がします(大学用の学生番号が入ったアドレスと比べて)。
- 受信側が”英語表記”でメールを受け取れるよう、名前の設定を変更しましょう。”山田太郎”とメールが届くよりも、”Taro Yamada”でメールが届いた方が良いです(日本語が読めない先生にとっては、スパムメールっぽく見える可能性があります)。
UCTの先生からオファーをいただいたら、“Offer Letter”を書いてもらいます。このレターは、UCTからの正式な合格通知と同様、入学に必要になってきます。
奨学金についてリサーチ開始
受け入れてもらえる研究室を探しつつ、奨学金の財団を同時進行で探します。
私は奇跡的に吉田育英会の奨学生に採用していただきました。お金の心配をすることなく研究に専念できるので、非常にありがたく思っています。
- 奨学金の締め切りは財団によって様々です。いつまでに提出するのか、支援してもらえる内容、必要な書類、面接の時期などを予めリサーチしておきましょう。
- 多くの財団では、大学から正式な合格通知を貰っていない時点から申請がokです。財団から奨学生に(仮)採用され、大学からの合格をもって正式に奨学生として採用されます。
受け入れ先からオファーをもらったら出願申請
研究がメインのUCTの修士課程、博士課程では「研究室の先生から受け入れのオファーをもらう = ほぼ合格」 したようなものです。
必要な書類を揃えて出願申請のプロセスに進みます。
それぞれのコースによって出願時に提出する書類が異なります。詳細は“Directions for Postgraduate Applicants”と呼ばれる書類に書いてあります(リンク)。
オンライン出願は大学のホームページから行います。リンクはコチラから。
- 修士課程、博士課程で研究論文だけ(Dissertation-only)のコースを選択する場合、オンライン出願に締め切りはありません。
- 逆に言うと、授業が含まれるコース(学部生と一部の院生)は締め切りがあるのでご注意を!
指示に従って必要な情報を記入し、必要な書類をアップロードして提出します。
提出後、自動送信メールが届き、3日以内に大学からメールが届きます。自動送信も正式なメールも内容は同じで、
- Application payment (R300)の支払い
- 原本提出(成績証明書等)と締め切りについて
書かれていました。
Application paymentを支払い、原本提出が必要な書類を大学へ郵送します。
私は心配だったので、オンライン出願申請でアップロードした全ての書類 (CV、研究計画書, matric result(高校を南アフリカで卒業した証拠)、 学部と修士課程の成績証明書、IELTSのスコアのコピー)を添え状と一緒に大学へ郵送しました。
- IELTSのスコアの原本は、日本英語検定協会から大学へ直接送る必要があります(2700円を支払いました)。自分宛てに新たな原本の申請はできません。
- 郵送した書類(原本)が大学に届くと、受理したことを知らせるメールが届きます。
- 日本の修士課程の最終的な成績はまだ出ていなかったので、その時点での成績をアップロードし、その原本を郵送しました。郵送した書類に「最終的な成績証明書が得られたらすぐに郵送します」という内容を記した添え状も付けました。
オンラインで出願してから2週間くらい経った頃、学部のAdmissions Officerから「オファーレター(Offer Letter)を提出してください」とメールが来ました。
オファーレターとは?
- 留学先(研究室)のボスが受け入れを許可すること
- 留学開始の時期
- リサーチ内容(研究タイトル)
が記されているレターのことです。私の場合はDivisional Secretoryの方を介してレターを貰いました。
これらのプロセスを経て、正式な合格通知が届いたのが出願してから1ヶ月程たった頃でした。
以上のプロセスをまとめます。出願申請にどれくらいかかるか目安になればと思います。
[まとめ] ケープタウン大学 出願申請のタイムライン
- オンラインで出願。必要な書類をアップロードして提出 (11月12日)。
- 3日以内に大学からメールが届く (11月14日)
- Application paymentを支払う (11月15日)
- IELTSのスコア原本を送付 (11月20日申請/1月2日に受理)
- 証明書等の原本をFedExで郵送 (11月26日出荷/29日到着/12月4日受理)
- Admissions Officerにオファーレターを提出 (11月29日)
- 合格通知のメールが大学から届く (12月18日)
合格通知をもらったら、期限までに大学に学費を納めます。日本から海外への送金は時間がかかるので、余裕を持って送ってくださいね。
手数料が安く、簡単な操作で海外送金できるのがTransferWiseです。アカウントを作成するのに時間がかかるので(本人確認のステップが必要)、予め申請を完了しておくと良いです。
TransferWiseの申請方法はコチラから。
ちなみに、アカウント作成にマイナンバーの提出も必要ですが、国外転出届けを出してしまうとマイナンバーも失効してしまいます。なので、出国前にアカウントを作成した方が良いです(マイナンバーの提出はアカウント作成時のみ必要です)。
ビザの申請にとりかかる
大学から正式なオファーがきたら、ビザ申請に必要な書類集めにとりかかります。このビザ申請の書類集めも時間がかかり、修士課程の研究と同時進行で苦労しました。
南アフリカの学生ビザ申請に必要な書類 (2019年3月 申請時)
- アプリケーションフォーム *指定のフォーム
- パスポート(有効期限をチェック)
- パスポートサイズの写真2枚
- 銀行口座3ヶ月分の取引証明書(英訳)
- 犯罪経歴証明書 (英文)
- 奨学金の証明書 (英文)
- 黄熱病ワクチンの証明書(コピー可) *必須ではないです。
- 航空券 e-ticket
- 健康証明書(Medical certificate) *指定のフォーム
- レントゲン検査 証明書 (Radiological Report) *指定のフォーム
- 合格通知書/ 研究室の先生からのレター (コピー可)
- 留学生を扱っている大学オフィス IAPOからのレター (Undertaking letter)
- 滞在先の証明書
- 留学中の医療保険(medical aid)の加入証明書
- 両親からのレター (成人でも必須)
- 返信用レターパック 510円 (ビザ発行後にパスポートを郵送で返却してもらいたい場合)
-
申請費用 (手数料) 4300円
アプリケーションフォームと健康証明書、レントゲン検査 証明書は、大使館(visa@dirco.gov.za)にメールを送って所定のフォームを送っていただきました。
上記の情報は私が申請した時点の話です。必ず大使館にメールを送り、必要な申請書と変更点について問い合わせをしてください(メールは英語/日本語どちらでも対応可)。
情報がすぐ欲しくて、大使館に電話をしたこともありますが「メールで聞いて」と言われました(なぜだろう…)。ただ、返信は数日後には返ってきました。対応が早くてありがたいです。
申請からビザ発行まで3週間程かかります。書類の不備で再提出になる可能性も含めて、余裕を持って申請をしてください。
皆さまが私のようにないよう、学生ビザの情報を別の記事にまとめました。
重要ポイントも含めて書きましたので、学生ビザ取得予定の方は参考にしてください。
結局、私の学生ビザが発行されたのは3月のはじめでした。4月20日に日本を出国予定だったので、間に合ってほっとしました。
留学に向けてその他の準備
ビザまで取れたら一安心です。あとは、留学前に必要なことを済ませていきます。
携帯解約(シムロック解除)、 必要なワクチン接種、クレジットカードの解約と整理、市役所で海外転出届、保険証の返却、英文の成績証明証と学位証明書を何部か取得(予備用)、運転免許書の更新(必要な場合)、国際運転免許証の取得(必要な場合)、パソコン購入、日本食を買い集める、お土産を買う、友達と会う、 家族との時間を過ごす etc
おわりに
以上、留学準備の流れでした!
留学準備は同時進行で行う必要があります。また、予想以上に時間がかかることもあります。
計画を立てて、余裕を持って準備を進めていくのがベストですね。
ここまで読んでくださり、ありがとうございました!
皆さまの留学準備がうまくいきますように。
こんにちは!
突然のコメント失礼致します。
現在ケープタウン大学修士課程を検討している大学生です。
海外の大学院を複数検討している中で、教授からの推薦書が必要な大学が多いのですが、ケープタウン大学には記載がありませんでした。
教授からの推薦書は必要でしたか?
よろしくお願い致します。
さと様
UCTのオンライン出願では”referees’ detail”というセクションに推薦して下さる教授2人の名前とe-mailアドレスを入力するのみで、推薦状自体を添付する必要はなかったです。